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監理団体の許可取消について(3)

最終更新日

2020年6月23日、厚生労働省のホームページにて、2つの監理団体の許可取消し、1つの監理団体への改善命令、及び11社の実習実施者の技能実習計画の認定取消しについて公表されました。
厚労省:監理団体の許可及び技能実習計画の認定の取消しを行いました

監理団体は、技能実習法第36条や第37条の規定により、改善命令や許可の取り消し処分等を受けると、今回のように、その旨を必ず公表されることとなります。
実習実施者も、技能実習法第15条や第16条の規定により、改善命令や認定の取り消し処分等を受けると、その旨を必ず公表されることとなります。

今回の処分理由は以下のとおりです。

1.監理団体:C協同組合

ベトナムの送出機関である〇〇〇との間で、技能実習生等が本邦において行う技能実習に関連して技能実習に係る契約の不履行について違約金を定める内容の「外国人技能実習事業に関する協定付属覚書」を締結していたことから、監理事業を適正に遂行することができる能力を有するものとは認められず、技能実習法第25条第1項第8号(申請者が、監理事業を適正に遂行することができる能力を有するものであること。)の基準を満たさないため、同法第37条第1項第1号に規定する監理団体の許可の取消事由(第25条第1項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるとき。 )に該当するため。

2.監理団体:H協同組合

傘下の実習実施者に所属する技能実習生に対し、入国後講習を認定計画どおりに行わなかったこと、虚偽の監査報告書を外国人技能実習機構に提出したこと、及び、傘下の実習実施者に対して訪問指導を適切に行っていなかったことから、監理事業を適正に行うに足りる能力を有するものとは認められず、技能実習法第25条第1項第2号の基準(監理事業を第39条第3項の主務省令で定める基準(監理団体は、団体監理型技能実習の実施状況の監査その他の業務の実施に関し主務省令で定める基準に従い、その業務を実施しなければならない。)に従って適正に行うに足りる能力を有するものであること。)を満たさないため、同法第37条第1項第1号に規定する監理団体の許可の取消事由(第25条第1項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるとき。)に該当するため。

3.監理団体:B協同組合

自己の名義をもって、他人に監理事業を行わせていたことから、技能実習法第 37条第1項第4号に規定する監理団体の許可の取消し事由(この法律の規定若しくは出入国若しくは労働に関する法律の規定であって政令で定めるもの又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。 )に該当するため。

4.監理団体:一般社団法人N

傘下の実習実施者に対する監査を適切に行っておらず、監理事業の適正な運営を確保するために必要があると認められることから、技能実習法第36条第1項(主務大臣は、監理団体が、この法律その他出入国若しくは労働に関する法律又はこれらに基づく命令の規定に違反した場合において、監理事業の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、当該監理団体に対し、期限を定めて、その監理事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。)に規定する改善命令を行う必要があると認められたため。

3.実習実施者:11社
11社は、以下のような理由により、技能実習計画の認定を取り消されています。

労働安全衛生法違反により罰金の刑に処せられ、刑が確定したことにより、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたと認められること、
役員のうちに、労働安全衛生法違反により罰金の刑に処せられ、刑が確定したこと、及び、地方入国管理局より外国人の技能実習に係る不正行為に対する通知を受けたことにより、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたと認められる者があること、
事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせたことにより、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたと認められること、
労働安全衛生法違反により罰金の刑に処せられ、刑が確定したことから、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたと認められること、
労働基準法違反により罰金の刑に処せられ、刑が確定したことから、出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたと認められること、
認定計画に従って技能実習を行わせていなかったこと、
認定計画に従って賃金を支払っていなかったこと、
・外国人技能実習機構の職員に対し虚偽の帳簿書類を提示、及び、虚偽の答弁をしたこと、
技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行ったこと

11社ありますが、すべて技能実習法第16条第1項第1号、第2号、第3号、第5号、第7号のいずれかに該当します。


 

技能実習法、主務省令、技能実習制度運用要領を十分理解せずにこの報道だけを読むと、何が何だか分かりにくいと思いますので、以下に関係条文を抜粋しています。
参照条文

その他、許可取消しを受けた監理団体に関する条文は以下の通りです。

(認定計画に従った実習監理等)
技能実習法第39条第3項

3 前2項に規定するもののほか、監理団体は、技能実習の実施状況の監査その他の業務の実施に関し主務省令(第52条)で定める基準に従い、その業務を実施しなければならない。

(監理団体の業務の実施に関する基準)
主務省令第52条

法第39条第3項の主務省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせているか、出入国又は労働に関する法令に違反していないかどうかその他の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する事項について、監理責任者の指揮の下に、次に掲げる方法により、実習実施者に対し三月に一回以上の頻度で監査を適切に行うこと。
イ 技能実習の実施状況について実地による確認を行うこと。
ロ 技能実習責任者及び技能実習指導員から報告を受けること。
ハ 技能実習生の4分の1以上と面談すること。
ニ 実習実施者の事業所においてその設備を確認し、及び帳簿書類その他の物件を閲覧すること。
ホ 技能実習生の宿泊施設その他の生活環境を確認すること。
二 実習実施者が法第16条第1項各号のいずれか(認定取消し事由)に該当する疑いがあると認めたときは、監理責任者の指揮の下に、直ちに、前号に規定する監査を適切に行うこと。
四 技能実習を労働力の需給の調整の手段と誤認させるような方法で、実習実施者等の勧誘又は監理事業の紹介をしないこと。
七 第一号技能実習にあっては、認定計画に従って入国後講習を実施し、かつ、入国後講習の期間中は、技能実習生を業務に従事させないこと。
十三 法第37条第1項各号のいずれか(許可取消し事由)に該当するに至ったときは、直ちに、機構に当該事実を報告すること。

(許可の基準等)
技能実習法第25条第1項

主務大臣は、第二十三条第一項の許可の申請があった場合において、その申請者が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときでなければ、その許可をしてはならない。
二 監理事業を第39条第3項の主務省令(第52条)で定める基準に従って適正に行うに足りる能力を有するものであること。

 

以下は認定取消しを受けた実習実施者に関係する条文です。

(認定の取消し等)
技能実習法第16条第1項

主務大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、実習認定を取り消すことができる。
一 実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせていないと認めるとき。
二 認定計画が第九条各号のいずれかに適合しなくなったと認めるとき。

三 実習実施者が第10条各号のいずれかに該当することとなったとき。
五 第14条第1項の規定により機構が行う報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示の求めに虚偽の報告若しくは虚偽の帳簿書類の提出若しくは提示をし、又は同項の規定により機構の職員が行う質問に対して虚偽の答弁をしたとき
 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。

 

関係者の方々は、この機会に改めて技能実習法や主務省令、技能実習制度運用要領を確認されてはいかがでしょうか。
技能実習生受入れ事業は、関係者の方々がこれらの関係法令や運用要領等を熟知し、かつ遵守できなければ、いずれ今回のような処分を受けてしまいます。
特定技能外国人の受入れにも通ずる部分が多々あります。
技能実習法 主務省令(技能実習法施行規則) 技能実習制度運用要領

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